印紙税とは、不動産の売買契約書や住宅ローンの契約書にかかる税金です。契約書に記載された金額により税額が決まります。契約書に収入印紙を貼付して納税します。
<お役立ちメモ>契約書は一通作成して買主が原本、売主は写しを保管することが多いようです。その際は、印紙代を折半しているようです。なお、印紙税は契約書にかかる税金ですので誰が負担してもかまいません。
不動産の譲渡に関する契約書の印紙税額(平成26年4月1日以降平成30年3月31日までの軽減措置適用後)
不動産の譲渡に関する契約書に記載された金額 | 税額 |
1万円未満 | 非課税 |
1万円以上 50万円以下 | 200円 |
50万円超 100万円以下 |
500円 |
100万円超 500万円以下 | 1,000円 |
500万円超 1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超 1億円以下 | 3万円 |
(1億円超からは省略します) |
※印紙税の原則税額や記載金額1億円以上の契約書にかかる税額などの詳細は国税庁のホームページをご参照下さい。
不動産会社から不動産を購入した場合、建物には消費税がかかります(土地は非課税です)。
平成28年8月1日現在の消費税率は8%ですので、建物1,000万円・土地500万円の不動産を購入する場合、消費税は80万円となり、売買代金は1,580万円です。
また、不動産会社に支払う仲介手数料も課税対象です。
<お役立ちメモ>消費税課税事業者ではない個人や免税事業者が売主の場合は建物代金に消費税はかかりません。
【豆知識:公租公課の精算】
不動産売買の際に、売り主と買い主の間で固定資産税・都市計画税の公租公課を引き渡し日を基準として按分精算を行うことが取引慣行となっています。本来であれば固定資産税・都市計画税は、1月1日時点の所有者が納税義務者ですので、1月2日以降に譲渡されても、1月1日時点の所有者が納税義務を負います。
そのため、公租公課の精算金は税務上の取り扱いとしては不動産譲渡価格の一部となります。ですので、原則として公租公課を精算する場合、建物代金にかかる消費税は公租公課の精算金額も含めた計算が必要です。
登録免許税は、土地建物にかかわる登記をする際にかかる税金です。
所有権にかかわる登記の場合には、固定資産税評価額に税率を乗じて税額が決まります。
住宅ローンなどの抵当権の設定登記の場合には、債権額に税率を乗じて税額が決まります。
<お役立ちメモ>建物が新築で固定資産税評価額が無い場合は、法務局所定の新築建物認定基準表を基に計算します。実務上、登記は司法書士に依頼することになりますので、ご自身で税率を計算することはあまりありません。
平成28年8月1日現在で、税率軽減の特例があります。
○住宅に関する税率軽減の特例
登記の種類 | 原則税率 | 軽減税率の要件 | 住宅の要件 | 軽減税率 | 長期優良住宅※1 | 低炭素住宅※2 |
所有権保存登記 | 0.4% |
(1)個人であること (2)昭和59年4月1日から平成29年3月31日までに新築または建築後使用されたことのない家屋を取得して自身の居住の用に供すること (3)新築または取得後1年以内に登記すること |
(1)床面積が50㎡以上の個人の住宅 | 0.15% | 0.1% | 0.1% |
所有権移転登記 | 2.0% |
(1)個人であること (2)昭和59年4月1日から平成29年3月31日までに建築後使用されたことのない家屋または建築後使用されたことのある住宅のうち政令で定めるものを取得して自身の居住の用に供すること (3)取得後1年以内に登記すること |
【新築の場合】 (1)床面積が50㎡以上の個人の住宅
【中古の場合】<(1)及び、(2-1)又は(2-2)のいずれかに該当するもの> (1)床面積が50㎡以上の個人の住宅 (2-1) 耐火建築物で建築後25年以内あるいは耐火建築物以外で20年以内に建築されたもの (2-2)建築基準法等の規定に定める地震に対する安全性基準に適合するもの |
0.3% | 0.1%(一戸建ては0.2%) | 0.1% |
抵当権設定登記 | 0.4% |
(1)個人であること (2)昭和59年4月1日から平成29年3月31日までに新築または建築後使用されたことのない家屋または建築後使用されたことのある住宅のうち政令で定めるものを取得して自身の居住の用に供した場合で、その住宅用家屋を取得等に必要な借入金等について金融機関等が担保するための登記であること (3)新築または取得後1年以内に登記すること |
0.1% |
- | - |
※1 長期優良住宅の普及の促進に関する法律(長期優良住宅の普及促進法)の規定に基づく認定を受けた長期優良住宅をいい、以下「認定長期優良住宅」といいます。
※2 都市の低炭素化の促進に関する法律の規定に基づく認定を受けた租税特別措置法施行令に定める認定省エネ住宅をいい、以下「認定低炭素住宅」といいます。平成26年6月からは、認定低炭素住宅とみなされる認定集約都市開発事業により整備される特定建築物である住宅が加えられました。
○土地に関する税率軽減
登記の種類 | 原則税率 | 平成29年3月31日まで |
所有権移転登記 | 2.0% | 1.5% |
不動産を取得した時にかかる税金が不動産取得税です。
取得した不動産の固定資産税評価額に税率を乗じて税額を求めます。
不動産取得税額 = 固定資産税評価額(課税標準) ✕ 税率
<お役立ちメモ>不動産取得税は不動産を取得し所有権の移転又は保存登記を行うと支払い通知が届きます。通知は忘れたころに届くので注意が必要です。
平成28年8月1日現在で、税率軽減の特例があります。
○土地・住宅の取得に関する軽減税率
対象不動産 | 原則税率 | 平成30年3月31日まで |
土地・住宅 | 4.0% | 3.0% |
また、平成30年3月31日までに宅地を取得した場合は、宅地の課税標準(固定資産税評価額)を1/2にする特例があります。(課税標準の特例)
○一定の住宅の取得に関する課税標準の特例
下記の要件を満たす住宅は、固定資産税評価額等から「控除額」に記載された金額を控除した額が課税標準となります。
住宅の種類 | 要件 | 新築の時期 | 控除額 |
新築住宅 |
床面積50㎡以上240㎡以下 (一戸建て以外の貸家住宅は40㎡以上240㎡以下) |
ー |
1,200万円 (認定長期優良住宅は1,300万円) |
中古住宅 |
(1)床面積50㎡以上240㎡以下 (2)自己の居住の用に供すること (3)次のいずれかに該当すること ・昭和57年1月1日以降に建築されたもの ・建築基準法に定める地震に対する安全性に係る基準に適合することにつき取得日前2年以内に建築士等に証明されているもの(既存住宅売買瑕疵保険に加入後2年以内の住宅を含む)
|
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 |
100万円 |
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 | 150万円 | ||
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 | 230万円 | ||
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 | 350万円 | ||
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 | 420万円 | ||
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 | 450万円 | ||
平成元年4月1日~平成9年3月31日 | 1,000万円 | ||
平成9年4月1日以降 | 1,200万円 |
○住宅用土地に関する減額の特例
住宅が上記(一定の住宅の取得に関する課税標準の特例)の床面積等の要件を満たしており、土地の取得が下表のいずれかの要件に該当する場合には、その住宅用土地について、①、②のいずれか高い方の金額を税額から控除することができます。なお、土地を取得してから、原則として3年以内に住宅家屋が新築される場合には不動産取得税の徴収が猶予されます。
① 45,000円
② 敷地1㎡当たりの評価額 ✕ 住宅の床面積の2倍(最高200㎡まで) ✕ 3%
※敷地が宅地の場合、平成30年3月31日までは課税標準の特例を適用した後の金額です。
※土地・住宅の取得に関する税率軽減の特例により平成30年3月31日までの税率です。
住宅取得の時期 | 減額の要件 |
土地の取得後に住宅を新築した場合 |
土地の取得日から3年以内に住宅を新築(土地取得者が新築まで土地保有しているか、新築が土地取得者から土地を取得した者により行われる場合に限る) ※ただし、政令で3年以内に取得することが困難と定められている一定のやむをえない事情がある場合には4年とされます(平成30年3月31日まで) |
土地の取得前に住宅を新築した場合 | 借地人が新築後1年以内にその敷地の土地を取得 |
住宅を新築後に土地と住宅を取得した場合 | 未使用の住宅とその敷地を新築1年以内に同一人が取得すること |
土地の取得後に中古の住宅を取得した場合 | 土地取得者が1年以内に土地の上の住宅を取得すること |
土地を取得する前に中古の住宅を取得していた場合 | 借地して住宅を取得した者が、その後1年以内にその敷地の土地を取得すること |
固定資産税・都市計画税は1日1日現在で、不動産(土地・家屋等)を所有している人が毎年納める税金です。
3年に1度評価替えされる固定資産税評価額に対して所定の税率を乗じて計算されます。
<お役立ちメモ>納税は毎年5月頃に支払通知が届き、年4回に分けて支払うことが出来ます。
5-1. 固定資産税
固定資産税額 = 課税標準(固定資産税評価額) ✕ 1.4%
【住宅用地の特例】住宅家屋の敷地になっている土地は「住宅用地」として課税標準が減額されます。
宅地区分 | 住宅用地と認められる面積 | 課税標準の軽減 |
小規模宅地 | 住宅一戸当たり200㎡まで | 課税標準(固定資産税評価額)の1/6 |
一般住宅用地 | 住宅一戸当たり200㎡超で床面積の10倍まで | 課税標準(固定資産税評価額)の1/3 |
5-2. 都市計画税
都市計画税額 = 課税標準(固定資産税評価額) ✕ 0.3%
【住宅用地の特例】都市計画税も固定資産税と同じく住宅家屋の敷地になっている土地は「住宅用地」として課税標準が減額されます。
宅地区分 | 住宅用地と認められる面積 | 課税標準の軽減 |
小規模宅地 | 住宅一戸当たり200㎡まで | 課税標準(固定資産税評価額)の1/3 |
一般住宅用地 | 住宅一戸当たり200㎡超で床面積の10倍まで | 課税標準(固定資産税評価額)の2/3 |